科学的説明
被験者の目隠し状態で実験した結果、「磁気治療」を受けていると信じたときだけ効果が出た。磁気流体は存在せず、暗示の力(プラシーボ効果)だった。

見えない磁気で万病を治す自称カリスマ
30代のカリスマ催眠術師。「目に見えない磁気流体で万病を治す」と主張し、パリの社交界を席巻した。しかしフランクリンらによる盲検法の実験で、効果は「思い込み(暗示)」に過ぎないと論破された。プラシーボ効果の権化。
フランツ・アントン・メスメルが提唱。ベンジャミン・フランクリンらの委員会による盲検実験で否定。
被験者の目隠し状態で実験した結果、「磁気治療」を受けていると信じたときだけ効果が出た。磁気流体は存在せず、暗示の力(プラシーボ効果)だった。
「効果がある」と「科学的に正しい」は同じではない。正しい対照実験の重要性を人類に教えた最初の事例の一つ。
口癖“信じれば、効く。…それの何が悪い?”
鉄の磁性を「生命磁気」の証拠に利用しようとした。鉄にとっては迷惑。
“私の磁気が流れれば、あらゆる病が癒える…(催眠ボイス)”
“見えないから存在しない? では愛や勇気も存在しないのか?”
“効果があったのは事実だ。原因が違っただけで。”
“プラシーボ?…それでも人が救われるなら、何が悪い”
“フランクリンめ…盲検法などという無粋な方法で…”
さあ…リラックスして…私の声に集中して…診断結果を信じるのです…
…おっと、これは催眠ではない。「動物磁気」だ。全く別物だよ?
メスメル:「鉄よ!お前は磁石に引かれるだろう?それこそ動物磁気の証拠だ!」
鉄:「…それは強磁性体の性質であり、3d電子のスピン配列の結果です。動物とは無関係です」
メスメル:「だが人間の体にも鉄が!ヘモグロビンに!つまり…」
鉄:「ヘモグロビン中の鉄イオンは反磁性です。あなたの主張を支持しません」
メスメル:「…科学者は夢がないな」
磁気は幻だった。だが「信じることで楽になる」という現象は、今もプラシーボ効果として科学が認めている。
私が教えた最大の教訓は「対照実験の必要性」だった。…皮肉だな。