P(パリティ)
空間反転対称性空間座標を反転(x → -x)しても物理法則は同じ
鏡の中の世界でも同じ法則が成り立つはず…だった
SOUL/ALLOY Science · Fundamental Physics
宇宙に物質が存在する理由
パリティ(P)、荷電共役(C)、時間反転(T)対称性と、その破れが導く宇宙の謎
物理法則が何らかの変換に対して不変であること。例えば、鏡に映しても同じ法則が成り立てば「パリティ対称性」がある。
空間座標を反転(x → -x)しても物理法則は同じ
鏡の中の世界でも同じ法則が成り立つはず…だった
粒子を反粒子に置き換えても物理法則は同じ
電子を陽電子に、クォークを反クォークに入れ替えても同じはず
時間の流れを逆にしても物理法則は同じ
映画を逆再生しても物理法則に違反しない
C、P、T を全て同時に行えば、物理法則は必ず不変(これは破れない)
李政道とヤンがパリティ非保存を理論的に提唱。「弱い力」ではパリティ対称性が破れるかもしれない
コバルト60のβ崩壊でパリティ破れを世界初証明。物理学史上最も重要な実験の一つ
極低温(0.01K)でCo-60原子核を磁場で配向させ、β崩壊で放出される電子の角度分布を測定。電子は核スピンと反対方向に優先的に放出された。これは鏡像世界では逆になる=パリティ対称性が破れている証拠クローニンとフィッチがK中間子でCP対称性の破れを発見(1980年ノーベル賞)
6種類のクォークを仮定すれば、CP対称性の破れを説明できることを理論的に示した
日本のBelle実験と米国のBaBar実験がB中間子でCP対称性の破れを直接観測
小林誠と益川敏英が「CP対称性の破れの起源の発見」でノーベル物理学賞を受賞
ビッグバン直後、物質と反物質は同量生まれたはず。しかし今の宇宙は物質だけ。なぜ?
CP対称性の破れにより、物質と反物質のふるまいにわずかな違いが生じた。この「非対称性」が、物質優勢の宇宙を生み出した。
ただし、現在知られているCP破れだけでは、宇宙の物質優勢を完全には説明できない。新しい物理法則が必要かもしれない。